駄・読書記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-05-22

2008/10、11 重政隆文

| 23:31

映画批評は批評できるか 番外篇

映画批評は批評できるか 番外篇

映画の本の本

映画の本の本

映画が専門の人に、↓の本面白かったよ!て話したら、紹介されたのが重政さんの本。すごく辛辣…。村上Rさんの撮った映画をぼろくそにけなし、更に村上Rさんが、自分はそういうけなした人に対して、更に素晴らしい作品を作ることによって復習するのだ的な文章を引用し、更に「私は未だ復習されていない」と…。

でもそういう辛辣なのって、一般読者からしてみたら小気味良いよねー。

中野翠が好きみたいで、いろいろ褒めてあったので、今、それを読み中。

2008/09 杉作J太郎

| 23:19

ボンクラ映画魂―三角マークの男優たち (映画秘宝COLLECTION)

ボンクラ映画魂―三角マークの男優たち (映画秘宝COLLECTION)

図書館借り。

やくざ映画のことでも知ろうかなーとか思って…!

ていうかこれ、ためになることほとんど書いてなくて、めっちゃ面白かった!まさにぼんくら。

ところどころ杉作さんの漫画(これがまたどうでもいい)が挟んであって

、そのしょうも無さも最高でした。女優編も読みたい!

2008-05-10よしもとばなな「なにもかも二倍」

2008/08

| 15:49

なにもかも二倍―yoshimotobanana.com〈2007〉 (新潮文庫)

なにもかも二倍―yoshimotobanana.com〈2007〉 (新潮文庫)

なんとなく出ると買ってしまうばなな日記。ウェブでも読んでいるんだけど、活字化されたものはまたそれはそれで味わい深いというか…。電車の中とかで読むのに向いているような気がする…。

まあなんというか、「自分でここまで言わなくても、世間は十分あなたのことを認めているのでは?」と思ってしまうほどのことがたまに書いてあって、楽しそうだけど、大変そう。なんかいろんなことを言う人が沢山いるんでしょうね。わたしみたいな普通の生活をしている人にすら、変なことを言う人がたまにいるくらいなのだから。


まして私は女子。人生を仕事にかける気などさらさらない。まわりの人を幸せにしたり、笑顔にしたり、よい時間を集めることにしか興味はない。根っからチャラチャラしているのである。

そうではないよーとか思いつつ、いやでも実際そうなんですよねー。比較の問題で。

2008-04-29福田和也「悪女の美食術」

2008/07

| 22:08

悪の美食術 (文芸第二ピース)

悪の美食術 (文芸第二ピース)

食いしん坊なので、食エッセイは好きです。特に文化人の食に関する本は、それぞれ含蓄があって面白い。

この本は、その中でも「食べる」ということに対してストイックに向き合い、食べるという文化の啓蒙書にも成り得ているのではないだろうか。食いしん坊なので、割と美味しいものを食べてるんじゃないかなーとか軽薄にも思っていたけど、覆される。わたしなんて食文化の表面すらさらっていないです。ほんますみません…という気持ち。まず高いお店に一人でいったことないしね。食に対する美学が全然足りてないです。

でもこの本、馴染みのない固有名詞(ワインの銘柄とか、東京の有名店とか)に注釈がつけてあって、なかなかためになる。

群れて食べることの下品さは厳しく認識されるべきです

2008-04-042008/06 伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」

2008/06

| 21:00

八月の路上に捨てる

八月の路上に捨てる

芥川賞作品。

なんかところどころすんなり飲み込めない表現があるものの、夫婦って、離婚ってこういう感じなんだなあと納得してしまう作品。物語は、自動販売機のジュースを補充するアルバイトスタッフ(三十代男)が、先輩女性(離婚歴有り)に、自分が結婚し、離婚するまでを話すと言う二つの生活が交錯する話。

なんか、男の語り口を通した、元妻の孤独がなんかしんどくなった。

「何て言うのかな。両方割り切ってやってるのは、セックスつきのお茶飲み友達みたいなもんでさ。セックスって言うからへんだけど、そう、乾布摩擦の濡れてるようなもんじゃん。それで心が繋がって満足なら、まあいいんだよ」

「まったくわからないです」

「だから互いに欲しいのは、心までってことでしょう」

あたしが言ってるのは、心のもっと先が欲しくなるときのこと。

2008-03-21

2008/05 ヘレン・フォールディング「ブリジット・ジョーンズの日記」

| 08:25

ブリジット・ジョーンズ。映画もみたけど、小説?でも。

ブリジットはドジで、自意識過剰で、極端で、かわいい。やけ食いするし、煙草も吸いまくるし、すぐにのぼせあがるし。

日本でも彼氏がいない30代の独身女性てめんどくさい時があるんだろうなと常々思うんだけど(もちろん20代でもだ)、この本読むと、欧米のほうが恋愛格差て大きいのかしらんという気がしてきた。だってバカンスに誰と行こう?とか思ったり、パーティーにパートナーを連れて行かなかったら憐れまれたりするわけでしょう…。大変!

2008-03-17

2008/04 養老孟司、宮崎駿「虫眼とアニ眼」

| 12:25

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

養老さんと、宮崎さんが何度かに渡って対談したものをまとめたもの。

1997年もののけ姫後)から2001年(千と千尋後)に跨がっているので、宮崎さんの言ってることが、少しずつ変わってきている。

自分とか、自分と同世代の人とか、少し年下の人たちに対してぼんやりと思っていたことを、宮崎さんと養老さんが言葉にしてくれたような本。宮崎さんは骨太すぎて、たまに「そ、それは…」と思うようなところもあるけど、そういう骨太さに憧れる部分もある。

本人たちはみんな真面目で気がよくて、実に優しいいい子たちなんだけど、一方で信じられないくらいに生きていくための武装に欠けている。(中略)そのまま30歳になって、大人になるのを拒否している。だからぼくが子どものために映画を作ろうと言っても、若いスタッフの士気が上がらないんです。だってみんな自分の子どもがいないんだもん。子どもがいなくて、いつまでたっても自分のために映画を作りたいんですね。こんな人たちなんて、もう放っておけばいいんだと思うこともありますよ。みんなが支え合いながら、緩やかに安楽死していけばいいって(笑)

宮崎さんのこの言葉は、三十目前のわたしにとって心痛くなった。本当にその通りだ。

2008-03-14

2008/03 堀江敏幸「熊の敷石」

| 10:11

熊の敷石 (講談社文庫)

熊の敷石 (講談社文庫)

初、堀江敏幸。表題作「熊の敷石」を含む3編の作品集。「熊の敷石」は芥川賞。簡潔だけど、緻密で、インテリジェンスを感じる文体に好感をもった。

表題作「熊の敷石」は、フランスに滞在中の「私」が旧友ヤンに会いにゆき、彼とのひとときを過ごす中で、彼と彼にまつわるユダヤ人の歴史と経験に触れる。また「私」と彼の家主である女性と盲目の息子との関り合いを描いたもの。

「うまくいえないけど、きみにはなんとなくそういう話をしたくなるところがあるよ。柔道家でもないのに受け身がうまい」(中略)

彼のいいたいことは、それこそ「なんとなく」わかるような気がした。(中略)

ながくつきあっている連中と共有しているのは、社会的な地位や利害関係とは縁のない、ちょうど宮沢賢治ホモイが取り逃がした貝の火みたいな、それじたい触れることのできない距離を要請するかすかな炎みたいなもので、国籍や年齢や性別には収まらないそうした理解の火はふいに現われ、持続するときは持続し、消えるときは消える。不幸にして消えたあとも、しばらくはそのぬくもりが残る。

この部分が一番印象に残った。「なんとなく」。