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littré このページをアンテナに追加

2008-04-05

[]「血と暴力の国」コーマック・マッカーシー

なんとなく読みにくい感じがして読み始めてからかなり時間がかかって読了。何でかなーと考えたら、翻訳の文体に乗り切れなかったのと、あと視点をどこにおいて読めばいいか迷っていたからだったような気がする。モスとシュガーとベルという三者の視点が切り替わるものの、そのなかでシュガーが徹底的に不在であるということで、とても不安定な状態に読者は置かれてしまうのだと思う。もちろんシュガーは登場人物としていて、語りもするのだけれど、最後まで誰なのかということが分からないだけにその不在が小説を不気味なものにしているような気がした。それが暴力とアメリカという国の芒洋とした不気味さでもあるような感想を持った。