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2008-08-28

[literature]ジュンパ・ラヒリ「停電の夜に」「その名にちなんで」

遅ればせながら2冊を続けて読む。淡々とした語り口で、短編の仕上げ方もあざやかなら、長編の語りもうまくて、一気に読んでしまう。作家自身はイギリスとアメリカで育ってインドは知らないそうだけれど、こういう「移り住む」ことが芯にある作家というのはやはり興味深い。違う国や社会のなかで親の世代と子供の世代がどう生きていくか、というところがとてもあざやかに、特に生活のささいな細部や食物で表現されているのがすごくよいと思った。単純に食事の描写がうまい小説が大好きなので、そこかしこに出てくるインドのスナック(マスタードオイルって何だろう)やらカレーやらサムサなどの食事の描写にうっとりとしてしまうのだった。あとは、インドのでてこない作品を書くとまた違った感じになる作家なのだろうか、というところが興味津々。