Hatena::Groupbookseller

本を読む女のメモランダム

2008-02-16

「悶絶スパイラル三浦しをん 00:30

悶絶スパイラル

悶絶スパイラル

うーん、すごい。Uさんの長大にして細部まで異様にフォーカスされた脳内映像を聞くにつけ、楽しい気持ちになってくるのだった。いついかなるときも、前向きに発揮される想像力。たった三分を、明るく彩られた至上の三時間に変換する才能。すばらしい。

「これこそが、なんてことない日常を豊かにする秘訣かもしれませんね」

と私は言った。

「そうですよ!」

とUさんは言った。「ていうか、そうでも思ってないと、私たちは想像力の無駄弾を撃ちまくってるだけ、ってことになっちゃいますからね。(略)」

私の感想

2008-02-15

サクリファイス近藤史恵 00:31

サクリファイス

サクリファイス

ぼくの勝利は、ぼくだけのものではない。

2008-02-13

「ぽろぽろドール」豊島ミホ 00:31

ぽろぽろドール

ぽろぽろドール

わたしはまだほんの十五で、これから先、たのしいことなんていくらでも待っているんだと思う。けれど考えてしまうのだ、この世の何が、秘密の人形に勝るだろうと。

いじましい瞳から滑り落ちるなまあたたかい雫、わたしのための、惜しみない涙。

わたしは今日も、帰ったら真っ先にあの人形をぶって泣かす。それが何より気持ちのいい遊びなのだ。

坪内君のミカは、処分されてしまっただろう。わたしももう、二度と彼に会わない。彼は永遠にミカをうしない、わたしに触れなかったことを後悔するのだ。

「私、運命が欲しい」

―巻き込まれたい。前も後ろもわからないくらいに。

私の感想

2008-02-12

「私の男」桜庭一樹 00:31

私の男

私の男

わたしを知るのは、おとうさんだけ。わたしを、汚した、父親だけ。

「もともと、俺のものなんだ。あれは、全部。どこもかしこも俺のもんだ」

私の感想

2008-02-11

「猫鳴り」沼田まほかる 00:32

猫鳴り

猫鳴り

「悲しいのは、これは、しかたのないことだと思います。ですが、不安を抱いたり恐れたりすることはないんですよ。だって、今起こりつつあるのは、とっても自然なことなんですから。そうでしょう?」

若い声で言われた〈自然〉という言葉は、何かまっさらな感じだった。

私の感想

2008-01-31

「エスケイプ/アブセント」絲山秋子 00:32

エスケイプ/アブセント

エスケイプ/アブセント

「おれさあ、ここで悔い改めちゃったりすると人生ゼロになっちゃうみたいで、それはちょっと都合が悪いんだよな」

2008-01-30

「犬身」松浦理英子 00:32

犬身

犬身

「それはわたしではなくてあなたの役割でしょう。可愛い犬にしかできないことを徹底的に実践してください」

「恋愛感情だか何だかわかりません。言えるのは、わたしにとって八束は異性同性を問わず、これまでの生涯で最も心を許し親密になれた人間だったということです。(略)これが男同士だったら、あるいは女同士だったら、いつかそれぞれ異性と結婚して自分の家族をいちばんたいせつにするようになるんでしょうけど、わたしと八束は幸いにも男と女なので、恋愛感情を抱き合っていようがいまいが、結婚してずっと一緒にいることができる。だからわたしは、われわれが男と女の組み合わせであったことを僥倖と思ってたんです。ところが、八束の方はわたしと結婚する気は全くなかったんですね。あいつは人間よりも犬に興味があったから」

「心配するな。ある種の肉と同じで、よく叩いた魂はうまいんだ」

私の感想

2008-01-29

「黄色い目の魚」佐藤多佳子 00:32

黄色い目の魚 (新潮文庫)

黄色い目の魚 (新潮文庫)

もう、後ろの扉は閉ざされている。でも、前の扉には手が届かなくて、暗い廊下のような場所で、私はぼんやりたたずんでいる。

前に歩いていけるだろうか。

次の扉を開けるだろうか。

2008-01-28

鳥類学者のファンタジア奥泉光 00:33

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

女性から離れ、ステージに向かって歩き出すチャーリー・パーカーの低い声が聞こえた。

-But not so bad.

バット・ノット・ソー・バッド。でも、わるくない。But not so bad、でも、そんなにわるくない!

もう、なにもいうことは、ないのでした。

この世界に廃墟じゃない場所はどこにもなく、生きている人間も、死んだ人間も、誰もが廃墟を旅している。旅人は疲れ切って柱の陰に座り込み、ふと耳にした音楽に慰められる。癒される。ジャズとは、きっと、そんな音楽だ。

私の感想

2008-01-17

風林火山井上靖 00:33

風林火山 (新潮文庫)

風林火山 (新潮文庫)

姫、姫さま!

勘助にとって、由布姫は晴信と同様彼の夢であった。この現世に於ける、勘助の唯一つの、美しい壮大な夢であった。晴信も必要であったが、由布姫もそれに劣らず必要であった。どちらが欠けても彼の夢は成立しなかったのである。

2008-01-15

「蘆屋家の崩壊」津原泰水 00:33

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)

脳内恐怖物質、とおれが名付けた。青黒くて透明感のある、ちょうどモンブランブルーブラック・インクみたいなイメージだ。それを蓄えておく小罎が、頭蓋のなかに入っている。だれの頭のなかにもある。きっとモンブランのインク罎同様、うずくまって空を見上げている獣みたいな形でもしてるんだろう。滑り止めのぎざぎざの入った、使い切ったあとも捨ててしまうのが惜しい気がして別の用途に頭を悩ませてしまうような、それでいてけっきょく空のまま机の抽斗に入れたきりになってしまうような、凝った形のこぎれいな罎だろう。

私の感想

2008-01-01はじめまして

はじめまして 23:14

本を読んで心にとどめた文章をメモしていく試みはじめています。

よろしくお願いします。